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PERの計算方法は?PERを投資判断に活用するための注意点

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PER(Price Earnings Ratio)について適切に理解できると、事業成長、株式市場での取引で大いに役立ちます。

PERは、Price Earnings Ratioの略で株価収益率のことです。

この記事では、PERについてわかりやすく説明していますので、ぜひ最後まで読んでください。


PERの3つのポイント

この章では、PERについて3つのポイントに分けて説明します。

  • PERとは?PERの代表的な使い方
  • PERを使った代表的な投資手法
  • PERを計算する上で重要なEPSとは

PER とは?PERの代表的な使い方

PERは、Price Earnings Ratioの略で株価収益率のことです。株価と企業の収益を比較することにより、株式の投資価値を判断する際に利用される尺度です。

一般的には、同業種市場平均や株式市場全体との比較、その会社の過去の業績レンジとの比較で割高・割安を判断する場合が多いです。

どのくらいのPERが適当かについての明確な基準はありませんが、日経平均株価の場合、13倍から15倍が適正水準であるといわれています。

国際比較をする場合には、マクロ的な金利水準や、各国の税制、企業会計の慣行などを考慮する必要があるので注意が必要です。


PERを使った代表的な投資手法

PER を使った代表的な投資手法は2つです。

  • グロース投資
  • バリュー投資

それぞれの投資手法について、わかりやすく説明します。


グロース投資とは

ハイテク企業など今後の業績に期待できるグロース株は、一般的にPERの数値が高くなりやすい傾向があります。グロース株は、成長株という意味です。

グロース株に注目して行う投資をグロース投資といいます。グロース投資は、企業の利益成長に主眼をおいて投資する手法です。

PERやPBRなどのファンダメンタルズ指標が割高でも企業の成長性を重視し、業績の伸びとともに株価の上昇が期待できる銘柄に投資するのが特徴になります。


バリュー投資とは

成熟した大企業に多いのが、バリュ一株です。 バリュー株は日本語にすると割安株のことになります。

バリュー投資は、企業の利益・資産などの基準に対して割安なものに投資する手法です。

PERやPBRの低いもの、配当利回りの高いものなどが代表的な選択基準になり、これらの基準から株価が割安に評価されている企業が投資対象になります。


PERを計算する際、重要となるEPSとは

PERの計算方法は後ほど詳しく説明しますが、PERは株価を1株当たりの当期純利益「EPS」で割って計算します。EPSとは、Earnings Per Shareの略称で和訳は1株当たり利益のことです。

1株に対して、最終的な当期利益(当期純利益)がいくらあるかを表し、当期利益を発行株式数で割ったものになります。PERを用いた取引手法は数ある株式投資の取引スタイルの中で、初心者の方でも比較的簡単に使うことができる投資手法です。

この後、PERの具体的な計算方法などについて説明しますので、是非参考にしてください。


PERの計算方法と株価判断の考え方

この章では、PERの計算方法とPERに並んで、株価判断によく利用されるPBRとの違いについて説明します。


PERの計算方法

PERは、以下の計算式で計算できます。

  • 時価総額÷純利益、もしくは、株価÷1株当たり利益(EPS)

例えば、株価が500円で1株当たり利益が50円ならば、PERは10倍です。なお、1株当たり利益(EPS)は純利益(純利益)を発行済株式数で割って求めます。

ここで大事なのは、「いつ時点の純利益を採用するのか」これによっても、PERは大きく変わってきます。


基本的には、今期予想の純利益や来期予想の純利益を活用する事を推奨します。その理由は、株式市場は常に将来の出来事をできるだけ反映する特徴があり、企業が開示する今期予想や来期予想の数値も織り込んでいます。

また、以前は「自社株を含めた発行済株式数」で計算していましたが、「自社株を除く発行済株式数」で計算する方法が主流になりつつあります。企業の株主還元策として自社株を買い、消却する動きが拡大しており、より実態に近い投資指標にするために変化しています。

このようにPERは簡単に計算できますが、現在はインターネットで簡単に企業ごとのPERについて調べることができますので、もしPERの計算が面倒な場合は、そのようなサイトやサービスを利用するのも一つの方法です。


PERとPBRの違い

PERとよく比較される指標にPBRという指標があります。PBRとは、Price Book-value Ratioの略称で、和訳は株価純資産倍率のことです。

PBRは、当該企業について市場が評価した値段(時価総額)が、会計上の解散価値である純資産 (株主資本)の何倍であるかを表す指標であり、株価を1株当たり純資産(BPS)で割ることで算出できます。

PBRは分母が純資産であるため、企業の短期的な株価変動に対する投資尺度になりにくく、将来の利益成長力も反映しにくいため、単独の投資尺度とするには問題が多いです。

ただし、一般的にはPBR水準1倍が株価の下限であると考えられるため、下値を推定する上では効果があります。


更に、PER(株価収益率)が異常値になった場合の補完的な尺度としても有効です。なお、一株当たりの純資産(BPS)は、純資産(株主資本)を発行済株式数で割って求めます。

以前は「自社株を含めた発行済株式数」 で計算していましたが、「自社株を除く発行済株式数」で計算する方法が主流になりつつあります。企業の株主還元策として自社株を買い、消却する動きが拡大しており、より実態に近い投資指標にするための措置です。

このように、PERは利益に注目する指標である一方、 PBRは資産に注目する指標になります。

それぞれの違いについてしっかり理解するようにしましょう。


PERから読み取ることができる企業価値とは

PERでは、現在の株価が企業価値に比べ、割安か割高であるかを一目で把握することができます。

同一企業のPERを過去から追っていけば企業価値の推移を測ることができますし、同業の会社と比較することで、その会社の企業価値を相対的に比較することが可能です。

PERの目安は先ほども述べましたが日経平均株価の場合、一般的に15倍程度であるといわれていますが、実は業種によって目安はまちまちになります。

代表的な業種の目安のPERについて、まとめておきましたので参考にしてください。


  • 2020年末基準
業種予想PER
精密機器123.529
サービス業44.243
機械43.487
非鉄金属41.213
輸送用機器40.258
小売業39.889
化学33.451
繊維製品30.966
医薬品29.69
その他製品28.741
電気機器28.408
全銘柄28.111
金属製品24.391
食料品22.885
石油・石炭製品22.778
ガラス・土石製品21.373
卸売業18.265
情報・通信業17.644
水産・農林業16.855
不動産業16.531
パルプ・紙15.91
電気・ガス業13.282
海運業13.06
その他金融業12.746
証券商品先物12.612
保険業11.57
建設業11.282
倉庫運輸関連11.105
銀行業9.944

PERで企業価値を図る際の、参考にしてください。


PERが変化する理由

PERが変化する主な理由は、株価とEPSの変化です。株価が上がれば、 株価÷1株当たりの利益(EPS) でPERは計算されるので、PERは上昇します。逆に、株価が下がればPERは下がるのです。

このように株価によって、PERは変動しますので株価の動きはしっかりウォッチするようにしましょう。

PERは、EPSによっても変化します。 業績が好調で当期純利益が上がるとEPS は上がり、PERは下がりますし、逆に業績が悪く当期純利益が下がるとEPSは下がり、PERは上昇します。

また、発行済み株式数が増えるとEPSは下がるためPERは上がり、逆に発行済み株式数が減るとEPSは上がるためPERは下がる関係です。

PERが変動する要因についても、しっかり理解するようにしましょう。

株価についてはすぐに検索できますが、EPSについては意識しないと調べないかもしれません。まずは株価から確認し、EPSについても確認するようにしましょう。


PERを計算・確認する際の注意点

PERは、一目で現在の株価が割安であるか割高であるかを把握する指標になりますが、いくつか注意点もあります。

  • 特別利益・特別損失がある場合
  • あきらかに株が買われすぎ・売られすぎの場合

PERのそれぞれの注意点について、わかりやすく説明します。


特別利益・特別損失がある場合

特別利益や特別損失を出したときは、要注意です。なぜなら、一般的に特別利益や特別損失は一過性になる可能性が高いからです。

リストラによって退職金を割増して特別損失に計上したり、株式の売却により売却益を特別利益に計上するケースは多々あるでしょう。

しかし、一般的にこれらの損失や利益は、何度も続くものではありません。特別利益や特別損失の金額が大きいと、PERに多大に影響することになりますので注意が必要です。


あきらかに株が買われすぎ・売られすぎの場合

コロナショックやバーナンキショックなどが起こると、株価は業績などにかかわらず大きく下落します。当然ですが、株価が乱高下するとPERに大きな影響を与えます。

しかし、このような〇〇ショックの場合に株価は適正水準に戻ることがほとんどなので、〇〇ショックなどで株価が乱高下しているときは安易にPERで株価水準を図るのは推奨しません。


PERを活用し適切に検討しよう

PERは、株式が割安であるか割高であるかを一目で把握できる指標です。 

株式投資には様々な投資手法がありますが、PERを用いた投資手法は投資初心者の方に比較的簡単に利用できる投資手法になります。

もちろん、PERは万能でありません。 特別利益や特別損失、 コロナショックなどのように企業個別の原因ではなく株価が乱高下するときは注意が必要です。 

また、日経平均株価の適正なPER水準は15倍前後であるといわれていますが、業界によってPERの目安は全く異なります。

このような注意点はありますが、総じて考えるとPERは非常に使いやすい指標です。是非、今回の記事を参考にPERの理解を深めていただければ幸いです。